中央検査部

中央検査部

中央検査部技師長
六尾 哲(ムツオ サトル)

ホームページをご覧頂きありがとうございます。
市立岸和田市民病院 医療技術局 中央検査部の特色と魅力についてお話しします。
当中央検査部は、医師・臨床検査技師・看護師含めて総勢約32名にて業務を行っております。中央検査部は臨床検査を行う部門です。病院を受診すれば必ず検査されるほど、もはや検査なしでは医療は遂行出来ません。地域住民の医療の向上に貢献し、学術の研鑽に励み、当院の高い医療レベルに貢献するために様々な検査を行っています。
業務内容は採血、生化学・免疫、血液、輸血、一般、生理、細菌の各種検査を実施しています。最新鋭の自動分析機器や超音波診断装置及び最新のシステムを導入し、検査データの向上に努め、病気の早期診断・治療を目指しております。診療時間外も、救急患者及び病棟での急変の検査を迅速に実施出来るように24時間体制で業務に臨んでいます。
また、各学会から認定された認定検査技師も多数在籍し、専門的知識に基づいた迅速かつ正確な検査結果報告の提供に日々努めています。
検査部内の業務のみではなく、ICT(感染制御チーム)、NST(栄養サポートチーム)、院内各種委員会等のメンバーとして院内活動にも積極的に参加しています。
また、医療人としての知識、技術の向上だけでなく、社会人としても成長して頂ける環境と”人材から人財になれる検査部”を目指しております。
学生および既卒者の方で当検査部の見学希望がございましたら、直接六尾まで問い合わせ下さい。お待ちしております。

皆様の健康の一翼を担う臨床検査。
中央検査部は、病気の早期発見・診断・治療・経過観察の指針となる患者様の情報を迅速かつ正確に臨床へ提供することを日常の業務としている部門です。
普段、お目にかかることはあまりありませんが、市民のみなさまにとってBestな検査室になれるよう、日々努力しています。
「市民一人一人に満足いただける」 そんな検査室を目指しています。

スタッフ紹介

(2023.1.1現在)

専従医師:西嶌 準一(顧問)
認定資格:
日本食道学会認定医、日本臨床腫瘍学会暫定指導医、難病指定医
日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会認定医
日本がん治療学会教育医、日本がん治療認定医機構暫定教育医
大阪大学大学院外科臨床教授、兵庫医科大学外科臨床教育教授


専門分野:
一般外科、消化器外科(胃・食道疾患)、癌化学療法(胃癌・食道癌)


技師長 :六尾 哲


スタッフ(アルバイト含む)31名【臨床検査技師 28名、看護師 3名】


※認定及び専門技師数


超音波検査士
(領域)
循環器 消化器 表在 血管
5名 8名 5名 3名
血管診療技師 2名 緊急臨床検査士 2名
細胞検査士 1名 認定心電図技師 1名
二級臨床検査士(病理学) 1名 二級臨床検査士(微生物学) 1名
電顕一般・特殊技術Ⅰ 1名 第二種ME検定 1名
認定血液検査技師 1名    

業務内容

 中央検査部は、検体検査と生理検査に大別されます。検体検査では、尿一般検査、尿沈渣、尿化学検査、血糖・HbA1c、糞便検査、感染症迅速検査に3名、末梢血液一般検査、血液像、凝固線溶検査、骨髄検査、血沈などに4名、生化学検査、免疫検査、輸血検査に4名、細菌検査に4名を配置し業務を行っています。生理検査では、心電図、肺機能、脳神経系検査、超音波検査等に12名を配置し業務を行っています。外来採血は、午前8時から業務を開始し、検査技師2名(1名欠員)、看護師3名で対応しています。
各検査室の概要を以下に示します。

採血室

各外来にて採血業務を行わず、採血室として中央化しています。通常5名の臨床検査技師&看護師にて行っています。中央化して臨床検査室にて臨床検査技師が採血を行う事により、採血量の判断や不適切な検体ではないかを逐一確認できます。

一般検査室

尿の性状および糖、蛋白、潜血などを測定し、糖尿病や尿路・腎疾患の有無や経過をみています。他に便や髄液、腹水、胸水、精液等の検査や新型コロナ定量検査・感染症迅速検査などをしています。

血液・凝固線溶検査室

血液の中には赤血球・白血球・血小板と呼ばれる細胞が流れています。
その数を数え、顕微鏡で詳しく観察して異常がないか調べています。赤血球の数が減ったり、赤血球の中のヘモグロビンが少なくなったりして、酸素の運搬がうまく出来なくなった状態を貧血といいます。細菌をやっつける白血球が癌化した病気が白血病です。白血病などを疑う時は、血液を産生する工場である骨の中の骨髄の検査をします。血小板が少なくなると簡単に出血するようになります。(紫斑病など)
血液が固まることを凝固といい、逆に血液の固まりを溶かすことを線溶といいます。正常では両方のバランスがうまくとれています。バランスを崩すことにより、心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症を引き起こします。
上記のような検査や医師とタスクシフトの一環として、骨髄液の採取から検査までも行っています。

生化学・免疫検査室

生化学検査は血液の中でも血清といわれる液体部分を生化学的に分析する検査室です。血液は常に全身の健康状態を反映していると言えます。この検査により肝臓、腎臓、膵臓、心臓などの内臓の異常をチェックする事が出来るので病気の診断や程度、治療の判定、病状の経過観察には欠かせない検査です。又、調べる臓器によって検査項目が異なるので複数の項目を組み合わせて検査します。当院では多項目を自動分析装置で検査しています。
免疫とは「生体にとって異物であるものに対して生体がとる防衛反応です。」免疫検査は、その反応を検査によって数値化して測定しています。感染症検査、腫瘍マーカー検査、ホルモン検査などがあります。

輸血検査室

輸血を安全に行うために必要な検査です。血液型や輸血する血液と患者様の血液が適合するか調べます。また輸血製剤の管理・供給も行っています。

細菌検査室

細菌・真菌などの微生物による感染症が疑われる患者様より得られた検体(喀痰・便・尿・膿・穿刺液・髄液等)から原因となる病原菌を検出し、その菌にどのような抗生物質が有効なのかを検査しています。その他にもウイルスの迅速検査(インフルエンザウイルス、RSウイルス、アデノウルイス、ロタウイルスなど)なども実施しています。今年度より最新の質量分析装置を導入し、従来より迅速な菌種の同定が可能となりました。それによって、従来よりさらに迅速な治療が行えるようになりました。

生理機能検査室

生理機能検査室では、安静時心電図、肺機能検査、心臓・腹部・頸部・乳腺・血管など全身の超音波検査、経食道心エコーの介助、ホルター心電図の装着から解析、負荷心電図(トレッドミル、マスターステップ)、血管弾性検査(ABI+CAVI)、脳波、神経伝導速度検査、睡眠時無呼吸検査(PSG)、サーモグラフィー、皮膚還流圧(SPP)検査など種々の検査を行っています。
検査室のみならず、手術中や処置中の検査も可能なかぎり行っています。
ほとんどの検査は予約制をとっています。しかし、基本的には患者様の要望に合わせて検査が行えるように至急・緊急対応も致します。
内視鏡検査に関しては、中央放射線科と協力しながらそれぞれの室にて検査を行っています。
担当科と協力しながら、各検査に取り組んでいます。

勤務体制

日・当直体制をとり、緊急検査に24時間、365日対応しています。

情報のシステム化

中央検査部全ての部門がシステム化され、電子カルテと接続をしています。
原則検査結果は全てペーパレスで運用しています。
検査結果は、電子カルテの検歴画面にて閲覧、印刷可能とし、一部の検査結果は患者様にも提供しています。
中央検査部で異常値(パニック値)が発見された場合は、直ちに主治医に電話連絡し、迅速な対応をお願いしています。

知識と技術の向上

学会や研修会には、各自積極的に参加しています。
正職員、会計年度職員分け隔てなく、認定検査技師の資格取得を目指して各検査室にて勉強会など継続的に行っています。

臨床検査技師とは

臨床検査技師とは、医師の指導のもと、血液や尿、便などの検体を使って検査を行い、心電図、エコーなど患者さんに直接触れて検査する生理学的検査を行うことができる厚生労働大臣認定の国家資格です。
簡単に言うと医師が病気の診断や治療方針、予後の判定など決定するのに必要な情報を提供する医療職種です。
臨床検査技師は、病院をはじめ保健所、健診センターや検査センターなど多くの施設で活躍しています。

検体検査管理加算の取得

臨床検査を担当する常勤の医師を配置し、院内の臨床検査精度管理を定期的に行うとともに院外の臨床検査精度管理事業にも参加しています。また、臨床検査の適正化に関する委員会を開催し、臨床検査に関する質問や要望に対応しています。必要とされる緊急検査を院内で実施し、検査結果を迅速に提供しています。これらの施設基準を満たす事で「検体検査管理加算(IV)」を取得しています。

日本臨床衛生検査技師会 パンフレットより