地域がん診療連携拠点病院としての活動

臨床研究

臨床研究とは?

医療の進歩のためには、新しい治療法や診断法が有効であるかどうかを実際に臨床の場で試験してみることが必要不可欠となっています。たとえば、大腸がんの抗癌剤治療では、10年前には注射療法だけが標準治療でしたが、10年前の患者さん約2,000人が参加された試験で、内服療法(飲み薬の治療)と注射療法が同じくらい有効であることが数年前に証明され、現在の患者さんは注射薬と飲み薬のどちらでも選べるようになりました。このように、臨床の場で新しい治療法や診断法が有効であるかどうかを調べる研究を臨床研究と呼んでいます。

市立岸和田市民病院における臨床研究

市立岸和田市民病院は泉州地域のがん診療拠点病院に指定されており、がん診療成績向上のために、積極的に臨床研究に取り組んでおります。特に、多施設共同研究は、複数の病院が共同してひとつの研究をおこなう、規模の大きな研究であり、その研究成果は医療の進歩に直結するものです。

なお、当院で実施されている臨床研究は、すべて、患者さんの安全と利益を守るために、あらかじめ、当院の倫理委員会で承認されたものです。

臨床研究について詳しいことをお知りになりたい方は、がん相談室か、該当する診療科部長までご連絡ください。

臨床研究リスト

多施設共同研究

血液のがん

  • 高齢者aggressive非ホジキンリンパ腫に対するG−CSF併用VNCOP−B及びR-VNCOP B8週投与の検討(血液内科、平成16年〜)
    【内容】
    高齢者のaggressive非ホジキンリンパ腫に対しては、従来の標準的な化学療法プロトコールでは副作用の発生率が問題となっていました。本法は、抗がん剤を減量し、かつG−CSFやリツキシマブを併用しながらおこなう治療で、その安全性・有効性を調べる臨床研究です。
  • 小児フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病に対するimatinib mesylate第U相臨床試験(小児科、平成17年〜)
    【内容】
    小児の白血病の一種であるフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の治療においてimatinib mesylateという新しい薬剤の有効性・安全性を調べる臨床研究です。
  • 小児成熟B細胞性腫瘍に対する多施設共同後期第Ⅱ相臨床試験(小児科、平成17年〜)
    【内容】
    小児の悪性リンパ腫の一種である成熟B細胞性リンパ腫の標準的な治療法を確立するための臨床研究です。
  • 小児成熟B細胞性腫瘍に対する顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)の一次的予防投与の有用性に関する無作為割付比較試験(小児科、平成17年〜)
    【内容】
    小児の悪性リンパ腫の一種である成熟B細胞性リンパ腫の治療中に、正常な白血球が減少して細菌感染症を起こしやすくなりますが、それを顆粒球コロニー刺激因子の予防投与で回避できるかどうかの臨床研究です。
  • 小児リンパ芽球性リンパ腫stageⅠ/Ⅱに対する多施設共同後期第Ⅱ相臨床試験・小児リンパ芽球性リンパ腫stageⅢ/Ⅳに対する多施設共同後期第Ⅱ相臨床試験(小児科、平成17年〜)
    【内容】
    小児の悪性リンパ腫の一種であるリンパ芽球性リンパ腫の各病期(stage)における標準的な治療法を確立するための臨床研究です。
  • 乳児急性リンパ球性白血病に対する早期同種造血幹細胞移植療法の有効性に関する後期第Ⅱ相試験(小児科、平成17年〜)
    【内容】
    小児の白血病の一種である、乳児の急性リンパ救性白血病に対する治療として早期に造血幹細胞移植を行うことの有効性を調べる臨床研究です。
  • 乳児急性リンパ球性白血病に対する早期同種造血幹細胞移植療法の有効性に関する後期第U相試験付随研究:doxorubicinの薬物動態研究(小児科、平成17年〜)
    【内容】
    乳児の急性リンパ球性白血病に対する治療の中でdoxorubicinという薬剤の体内動態を調べる研究です。
  • 小児急性リンパ球性白血病治療研究
    【内容】
    小児の白血病の一種である急性リンパ球性白血病の標準的な治療法を確立するための臨床研究です。
  • 小児未分化大細胞性リンパ腫治療研究
    【内容】
    小児の悪性リンパ腫の一種である未分化大細胞性リンパ腫の標準的な治療法を確立するための臨床研究です。

消化器のがん

  • State ⅡB/Ⅲ大腸癌に対する術後補助化学療法としてのUFT/LV経口療法の治療スケジュールに関する第Ⅲ相比較臨床試験(外科、平成17年〜)
    【内容】
    UFT/LTという内服抗癌剤治療は、大腸癌手術後の再発予防のための標準的な抗癌剤治療のひとつです。治療期間に関しては、6ヶ月間治療すれば効果があるということが証明されていますが、もっと長く治療をすればもっと効果があるのかどうかは分かっていません。この研究は最も適した治療期間を決める臨床研究です。
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その他の臨床研究

血液のがん

  • 治療抵抗性多発性骨髄腫へのサリドマイド治療(血液内科、平成14年〜)
    【内容】
    サリドマイドが、「血管新生抑制作用」という新しい抗腫瘍剤として脚光を浴びています。骨髄腫患者の骨髄血管量は正常にくらべ豊富であるとの報告が出て以来、骨髄腫へのサリドマイド投与試験が行われてきています。本研究は骨髄腫難治例に対してサリドマイドの治療効果を、単剤であるいは化学療法との併用で確認する研究です。
  • 非血縁者間臍帯血移植の成人血液疾患への応用(血液内科、平成14年〜)
    【内容】
    臍帯血移植は、臨床上必要となった時に直ちに移植ができる事と重症移植片対宿主病(GVHD)の発生頻度が半減するという利点があります。本研究では白血病を中心とした血液疾患難治例に対してこの臍帯血移植の安全性と有効性の評価を行っています。
  • 成人急性リンパ球性白血病(ALL)に対する臨床第Ⅱ/Ⅲ相試験(血液内科、平成15年〜)
    【内容】
    成人の初発無治療の急性リンパ性白血病(ALL)に対する新しい治療プロトコールの安全性と有効性を検討する臨床研究です。
  • NIMA相補的血縁者間造血幹細胞移植(血液内科、平成15年〜)
    【内容】
    HLAが完全一致には至っていないが、親子あるいは兄弟で、母親の胎内において不一致のHLAハプロタイプに対する免疫寛容が形成されていることを期待した同種造血幹細胞移植の有効性を検討する臨床研究です。
  • グリベック療法による慢性骨髄性白血病(CML)の微小残存病変の探索(血液内科、平成16年〜)
    【内容】
    CMLに対する分子標的療法としてグリベックが登場して以来、CMLの治療成績が大きく向上しています。本研究では、グリベックの投与症例でのCMLの微小残存病変を分子レベルで検査することによってグリベックの有効性を検討しています。
  • de novo AML/TMDSおよびMDS−leukemia症例に対するMetA療法の有効性に関する研究(血液内科、平成17年〜)
    【内容】
    骨髄異形成症候群から移行した急性白血病に対する治療成績は不良であることが多い。標準的な治療が困難であるAML/MDSとMDS−leukemiaの患者さんに対して、MetA療法の有効性を確立するための臨床研究です。

呼吸器のがん

  • 進行非小細胞肺癌に対するゲムシタビンとネダプラチン併用療法Feasibility study(呼吸器外科、平成17年〜)
    【内容】
    進行非小細胞肺癌に対する標準治療はプラチナ製剤と第3世代抗癌剤の2剤併用療法です。ネダプラチン(プラチナ製剤)とゲムシタビン(第3世代抗癌剤)はそれぞれ単独での有効性は報告されていますが、これらの併用の効果については分かっていません。非小細胞肺癌においてネダプラチンとゲムシタビンの2剤が安全に投与され、有用であるかを確認する臨床研究です。
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