
検査
上部下部内視鏡検査、上部下部消化管透視、腹部エコー、造影超音波エコー、上部下部消化管ポリペクトミー、粘膜切除術(ESD)、食道静脈瘤硬化療法、結紮療法、ERCP、ERBD、EST、総胆管結石砕石術、PTCD、各種内瘻術、ステント挿入、経皮経肝胆道鏡、各種エコー下生検、肝癌治療(TAE、PEIT、RFA)、PEG、白血球除去療法、腹水濃縮再静注法、癌休眠療法、Real-time Virtual Sonography 他
| 内容 | 件数 |
|---|---|
| 腹部超音波 | 5,897 |
| 胃内視鏡 | 4,462 |
| 大腸内視鏡検査 | 1,896 |
| ERCP検査 | 267 |
| 内視鏡的止血術 | 126 |
| 下部消化管ポリペクトミー | 159 |
| EST | 52 |
| 肝癌RFA治療 | 139 |
胃大腸内視鏡、ERCP検査について
胃内視鏡、大腸内視鏡検査、ERCP検査については十分な件数をこなしていることは重要ですが(当院では2007年度、胃内視鏡4,462件、大腸内視鏡検査1,896件、ERCP検査267件施行しています)、それ以上に大切なのは、これからの医療はいかに安全性を確保するかということです。
内視鏡をすることによりほかの病気がうつらないか心配されている方もおられると思います。前の人に使った内視鏡で検査して大丈夫かと心配される方もおられると思います。当院ではそれに対して完全予防できる体制をとっています。
病気の早期発見や確定診断には病理検査が必要です。その時に必要になるのが生検かんしと言われる胃や大腸の組織をつまんでくる道具です。現在、生検かんしについてはまだ消毒して使っているところが多い中、当院ではいち早く、使い捨ての生検かんしを導入いたしました。すべての患者さんに新しい生検かんしを使用するため、生検かんしによる病気の伝染の危険性が全くなくなりました。
また、当院では上部消化管ビデオスコープ、大腸ビデオスコープ、十二指腸ビデオスコープを多数準備しており、一人の検査が終わるごとに、使ったスコープは時間をかけて自動洗滌機にて完全消毒しています(ビデオスコープの数が少ないと時間の関係より簡易消毒にならざる得ないからです)。これによって、ビデオスコープからの病気の伝染の心配がなくなりました。
最近、経鼻内視鏡検査が全国的に広まりつつあります。これは経口内視鏡検査に比べ楽だからです。本院でも咽頭反射が強く経口内視鏡検査がつらい人には経鼻内視鏡検査を施行しています。それにより患者様の負担を軽減するようにしています。
また、最近大腸内視鏡検査では一般的に鎮痛剤を用いて行うことが多いのですが、この場合呼吸抑制が起こることがあります。当院では血中の酸素濃度やバイタルを常にモニターしながら行い、安全性の確保につとめています。これらによって、安心して内視鏡検査を受けていただける体制を取っています。
検査してもその結果が残らなければ意味がありません。今までのように紙に残しておいたのでは、無くなってしまったり、必要なときにすぐに見れないということが起きていました。当院では専門の企業と協力し、本院に適合したソフトを完成し導入しました。これにより、すべての検査した画像とその情報を患者さんごとにコンピュータに自動的に保存できるようになっています。何年経ってもすぐにその患者さんの情報が参照でき、診療や治療の向上につなげています。また必要時には動画をDVDに保存できる体制を取っています。
治療
超音波内視鏡検査について
超音波検査は普通体表から行いますが、胃や十二指腸の内部から超音波検査を行うのが超音波内視鏡検査です。当院では専用の超音波内視鏡システム以外に、通常の内視鏡を使って出来る細いミニチュアのプローブを取り揃え、症例によって適宜使い分け、最適の検査が出来るようにしています。
癌化学療法について
厚生労働大臣より地域がん診療拠点病院に指定されています。
癌化学療法ではtumor dormancy therapy(癌休眠療法)を導入いたしました。消化器癌は一般的に抗癌剤が効きにくいので、胃癌、大腸癌、膵臓癌の化学療法は今まで、副作用やQOLを犠牲にした多量の抗癌剤を投与し、とくかく癌を縮小させる治療が行なわれてきました。これでは、患者さんにとって大変しんどい治療の割には、一時的に癌が小さくなってもすぐ大きくなり余命の延長につながらないことがわかってきました。tumor dormancyとは腫瘍が長期間増殖せずに休止、静止している状態です。これは癌が大きくならねばいいという治療法で、いわゆる癌と共存するという考え方です。そのために、低容量の抗癌剤や免疫賦活剤を組み合わせて治療します。これにより余命の延長やQOLの改善が得られるという報告が最近増えてきました。
肝癌について
肝癌ではいかに小さい内から癌をみつけ治療するかが大切です。当院では腫瘍マーカー、超音波検査、CTを駆使して小さな肝癌を見つけ出す努力をしています。超音波検査、CT検査の場合、いかに高解像度の装置を使用し、専門家が専門的な検査または撮影を行い、その後、その画像を専門的に読むかが重要です。CTについては当院では専門の放射線科の先生がおられ、全例dynamicCTという特別な撮影の仕方を行い、読影もされ、小さい病変を見つけるべく努力されています。
また、超音波造影剤を使用した最先端の造影超音波イメージも出来る腹部超音波の機械を導入し(これは一般の超音波の機械では画質が悪く出来ませんので)、適宜おこなっています。万一、肝癌が見つかれば、小さければ内科的治療が可能でTAE、PEIT、RFA(ラジオ波)治療など全ての治療が可能です。PEITやRFA治療についてはReal-time Virtual Sonographyを導入し、最先端の治療が可能となっています。
Real-time Virtual Sonographyの導入(RVS)
これは、超音波画像と同一画面のCT再構成画像をリアルタイムに描画するシステムです。現在、肝癌治療はラジオ波治療が中心となってきていますが、肝癌はCTでは検出されるが超音波検査では観察困難な病変も存在します。これに対して、RVSを使用することによりラジオ波治療が安全、確実に行えます。
慢性肝炎治療について
大阪府の肝炎専門医療機関に指定されています。C型慢性肝炎についてはペグインターフェロンとリバビリンの併用治療(2007年度33症例)を積極的に行っています。
急性疾患治療について
消化管出血(胃潰瘍、食道静脈瘤、大腸出血等)などの急性疾患に常に対応できます。適確な止血術については経験が重要ですが、2007年度、内視鏡的潰瘍止血術を126件行っています。
潰瘍の出血については止血法も従来からのアルコールやHSE、クリップを利用したもの意外にAPC(アルゴンプラズマ凝固)という新しい凝固療法もすでに導入しています。それらを駆使して手術しなくてよいように治療を行っています。
食道静脈瘤の出血についてはEOやエトキシスクレロールなどの注入療法、EVLという輪ゴムのようなもので縛る方法、APCを使う方法等すべて可能です。それらを駆使し、内視鏡的治療を充実させています。
総胆管結石治療について
総胆管結石は最近は内視鏡を使って治療しますので手術をせずにすむようになってきました。この時、石を乳頭という所から取り出すのに、乳頭の出口は小さいので内視鏡的に出口を広げる必要があります。この場合、症例によって切開する場合とバルーンを使用して拡張する場合があります。
当院ではもちろんどちらの方法でも出来ますが、切開する場合、問題になるのが乳頭切開後の出血です。当院では出血の合併症が少なくなるようにエンドカットという機械を導入しています。
乳頭拡張後、結石を取り出すのですが、4線バスケット、8線バスケット、砕石バスケット、バルーン等常備し、石の状態によって使い分けが出来るようにしています。
ポリープ治療について
食道、胃および大腸の早期癌を含めた各種ポリープ切除が可能です。この時、切除のためにスネアという道具が必要なのですが、電流の流れ方によってモノポーラとバイポーラのスネアがあります。バイポーラスネアは消化管に深い潰瘍を作らないので穿孔する危険が少ない、使い捨てのため感染の危険がないという特徴があります。ただ、バイポーラスネアはコストが高くまだ導入していない施設も多いと思われます。当院では使い捨てのバイポーラを使用しています。
早期胃癌治療、食道癌について
早期胃癌、食道癌については条件を満たせば外科的な開腹手術をしなくても内視鏡的に治療する時代となりました。更に、機能温存、術後のQOLの向上の観点より、早期癌では適応を満たせば、できる限り内視鏡による治療が望ましいと思われます。実際、多くの早期胃癌、食道癌に内視鏡的治療の適応があると思われ、胃内視鏡検査の充実による早期癌の発見の増加とともに、その適応となる病変も今後増加していくと思われます。最近のITナイフやフックナイフなどの手技的進歩により、粘膜切開(ESD)による広範囲胃粘膜一括切除、食道粘膜切除が可能になりました。当院でも積極的にそれらの最先端手技を導入し、早期癌の内視鏡的治療を行っています。
